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Story 8. Hole / 穴の花瓶

四角い部屋に突如現れるまるい穴が、日常に穴をあける。

コマとコマの間の出来事。
「ほんとうのこと」や大切な日常は、メディアに映っていない隙間の中に存在する。

「未知の領域へ飛び込むこと、その挑戦によって起きる変化」を水面の変形、水中の変形として表現した。

その池の水面には、波もなく、風もなく、ただ時間が停止したような空間がある。

花を内側に生けるようにした花瓶。「分けられた内側の世界（空間）」は、すべてのことから独立している。

種の形をした一輪挿し。草花をいけると、種から芽が出てそのまま茎となり、花が咲いているように見える。

壁をムニっとつまんで、前に引き出したかたち。平面の壁から境目なく曲面となり花を挿せる。壁と花瓶の区別をできるだけ曖昧にした。

「部屋に花を飾る」のは、外にある自然の一部を切り取ってくる行為。壁掛け花瓶は外と中の空間を混ぜ合わせる。